こんにちは。院長の馬場です。
今回はお子さんの治療によく使用する拡大床についてお話ししたいと思います。
拡大床とは
拡大床は名前の通り拡大する装置です。これはすでに歯にガタガタ(叢生)があったり、将来的に大人の歯の生えてくる隙間が足りないお子さんに使用することが多いです。
通常の拡大床ですと歯の列の横幅を広げて大人の歯が生えてくる隙間を作っていきます。
なぜ、ガタガタになるかと言うと、3人掛けのイスに4人座らないといけない状態になっているので、誰かがねじれたり重なったりしないと座れない状態です。拡大床はその3人掛けのイスを4人掛けに近づけるために使用する装置です。
拡大床の構造と拡大(ネジの回し方)の方法
拡大床は拡大ネジ、ワイヤーとレジン(プラスチック)で出来ていて、取り外しが出来る装置になっていてお子さんでも簡単に取り外しが出来ます。
拡大をする仕組みですが、装置の真ん中辺りに拡大ネジが入っていてご家庭でそのネジを回して頂いてゆっくりと歯の列を拡大していきます。
拡大ネジを回す方法ですが、拡大ネジに小さい穴が開いています。(〇で囲っている部分)
その穴に拡大ネジを回す用の棒を差し込みます。
拡大用の棒
棒を差し込んだところ
差し込みましたら拡大ネジの横にある矢印の方向(下方向)へ棒を押します。必ず止まる所があるのでそこまで棒を動かして下さい。
拡大ネジを回す時には装置のワイヤーを触ってしまうとワイヤーが変形してしまう事があるので、プラスチックの部分を持って操作するようにして下さい。
これを繰り返し行う事で少しずつ拡大ネジが開いていき歯の列が広がっていきます。
拡大ネジを回した後は拡大床の方が歯の列より少し広くなっているので、拡大床を装着したときに少し歯が押される感覚があります。また、しっかりと拡大床が装着されていない場合がありますので、拡大ネジを回した後はお子さんのお口の中を確認してちゃんと拡大床が装着されているか確認することをお勧めします。
拡大床のお手入れ
拡大床のお手入れの仕方ですが、ブラシで水洗いをして下さい。歯磨き粉等をつけてしまうと細かな傷がついてしまうので何もつけずに洗って下さい。
特に拡大ネジが広がっていくとそこに汚れがたまりやすくなります。気になる様でしたら専用の洗浄剤があるのでお申し付けください。
拡大床のメリットとデメリット
拡大床を使用するメリットですが、取り外しが出来る装置なのでお食事の時は外せるので食べ物の制限がありません。また、何かお口の中でトラブル(拡大床が強く当たって痛い、装置が破損してしまった等)があった場合は装置が外せるので、使用中のストレスが軽減されます。
また、発表会や記念写真等を撮る時は取り外せるので見た目も気になりません。
デメリットとしましては、取り外しが出来る装置なのでお子さん自身がしっかりと使用してくれないと治療が進まなかったり、拡大床を紛失してしまったり、破損してしまう場合があります。
拡大床使用時に困ったら
使用中にプラスチックの部分と歯茎が当たって痛みが出てしまう場合があります。その様な時は、当たっている部分を調整しますのでお早めに病院へご連絡をお願いします。
また、プラスチックが部分的に欠けてしまったり、ワイヤーが破折したり変形した場合も同様にご連絡をお願いいたします。
拡大床をしっかりと使用すれば、将来的に大人の歯が生える隙間が出来るので歯を抜くリスクを軽減できます。しかし、拡大床をしっかりと使用しても歯の大きさと顎のバランスがあまりにもズレている場合は抜歯をする場合もあります。また、拡大床は大雑把に歯を動かすので、細かく歯を1本1本動かすには別の装置が必要になるので、拡大床だけで治療が完了するわけではありませんので注意が必要です。
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